【成功事例】心に寄り添う成年後見人のカタチ 〜見たこともない笑顔で結ばれた信頼の物語〜
相談前
はじまり:断絶していた親子への関わり
支援のきっかけは、95歳の高齢の母親と、62歳の精神障害(統合失調症)を持つ息子の二人暮らしの家庭でした。
当初、しっかり者の母親がすべての窓口となっており、息子との直接的な関わりはほとんどありませんでした。
しかし、母親の入院を機に、それまで支援の届かなかった息子の生活支援が、支援員にとっての急務となったのです。
葛藤と奔走:信頼を築くための粘り強い歩み
精神障害を抱える息子は、電話にも出ず、訪問してもなかなか扉を開けてくれない方でした。
しかし、心身の健康維持には「通院と服薬」が不可欠です。
•スーパーでの捜索:通院予約の朝、家を空けていた彼を追い、支援員は「いつも朝一番にバスでスーパーへ行く」
という僅かな情報を頼りに店中を捜索。
レジに並ぶ彼を見つけ出し、粘り強く説得して通院へと繋げました。
•覚悟の送迎:2ヶ月以上入浴しておらず、衣類が排泄物で汚れた彼の衛生状態は深刻でした。
タクシーも断られる可能性がある中、支援員は自らホームセンターで大きなビニール袋を購入。
愛車のシートを保護し、彼を病院へと運びました。
相談後
結末:本人の意思尊重と「見たこともない笑顔」
その後、彼は医療保護入院となりましたが、検査の結果、肺に癌の疑いが見つかります。
3時間に及ぶ検査の付き添い中、支援員は彼と語り合いました。
「これ以上痛い思いをしたくない」という彼の強い拒絶を受け、
支援員は本人の意思を尊重し、無理な治療を行わない決断を下します。
別れ際、病院の看護師が彼に「いい後見人さんがついてくれて良かったね」と声をかけました。
すると、それまで心を閉ざしていた彼が、今まで見たこともないような満面の笑顔で「うん」と頷いたのです。
その一言と笑顔に、支援員は「大変だったけれど、自分の関わりは間違っていなかった」と深く救われたと語っています。








